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2005年06月19日
ガトー・ネグロ・カルメネーレ 2003
Gato Negro 2003
原産国 チリ
ビーニャ・サン・ペドロ社
今日は父の日でした。
このワインは、長女からのプレゼントです。
猫の絵が気に入ったんでしょうね(笑)。
長男からのプレゼントは、フライドチキンとアメリカンドックでした〜。
この、ガトー・ネグロはカルメネーレというブドウから出来ています。
以前は、フランスのボルドーでも栽培されていましたが、
フィロキセラ虫災害にあってから今では見られなくなった品種です。
香りはカベルネ・ソービニオンやメルローに近いです。
スパイシーな独特の強いアロマ。
味わいはまろやか。
さわやかな酸味と適度なタンニン。
カルメネール100%
カルメネーレ種とは。
ボルドーの忘れ形見…。
カルメネールは17世紀から18世紀そして19世紀初頭にかけて、フランスのメドック地区とボルドー地方において最も広く分布した品種です。
この品種を初めてチリにもたらしたのは、ワイナリーを所有していたチリの貴族たちで、1850年のことです。
彼らは同時にその他の高級品種、カベルネソーヴィニヨン、メルロー、ソーヴィニヨンブランなどもチリに導入しました。
1867年フィロキセラ虫災害でこの地区のワインは大打撃を受けました。
後の広範囲にわたるワイナリー復興の際に、フランスではカルメネーレが混醸品種から外されていきます。
風味豊かで深い色合いであるという品質でしたが、フランスの栽培地における湿度の多さと寒い春の気候により、
常に安定したよい収穫量を得ることが出来なかったのです。
これは、特にカルメネーレにとっては打撃的な条件で、
時には花の終わった後の発芽も得られないほどであったのです。
そして、メルローに遅れること2,3週間で熟成するこのブドウ品種は、雨の多い地域では健全な果実を収穫することも困難でした。
絶望的な状態にあったワイナリーのオーナーたちは、接木によってようやく再生できるようになったブドウ畑に、
あまり手をかけずに安定した収穫を得ることの出来るブドウ品種を選ぶことを余儀なくされたのでした。
カベルネソーヴィニオンもまた収穫の遅い品種ではありますが、繊細なカルメネールと比較して厚い果皮を持つため、
雨季においても果実が腐ったり水っぽくなるといったことがなかったのです。
チリは今だかつてフィロキセラに襲われたことがありません。
ブドウにとって重要な成長期に乾燥した気候が適していたのでしょう。
このため、チリではカルメネーレが生き残りました。
しかし長い間その正体は水面下にあり、見失われてきました。
その外見的な相似からしばしばメルローの畑に点在し、
チリでは両方をメルローと呼び始めるようになってしまったのです。
チリのワイン産業は、長い間研究や綿密な調査からはずされ、国内市場は国際的な動きから孤立していました。
そのためカルメネーレは、もし思い出す人があったとしても、見失われた、
もしくは、絶滅した品種とみなせれていたのです。
そんな中にあって、チリの「メルロー」には、はっきりと違いのある2種類が存在する、ということが明らかになってきました。
葉の形、色の違い、ブドウの房も同一ではなく、そして最も大きな違いは熟成期の違いでした。
1980年代終わりになりチリからの輸出が多くなるにつれ 「チリのメルローは低価格のものであっても、
他のどこの国で作られたメルローよりも強くはっきりとした性格を持ち、
ほのかにスパイシーさがある」ということが知られるようになってきました。
そして味わいには、より華やかさも兼ね備えていたのです。
チリのクローンが、より果実味レベルが高く風味の強い亜種に発展したのだと言う理論の元に、
クローンの差によるものだと考えられてきました。
1994年、フランスのモンペリエにある醸造大学のジャン=ミッチェル・ブルーシコ教授が、それが品種の違いだということに気付きます。
彼がカトリカ大学(チリ)のフィリポ教授と共にチリのワイナリーを訪問した際、
メルローの畑に違う種類の葉が存在する、ということを記録しています。その後のDNA鑑定により、そこには2つの違う品種が存在し、
その1つは1世紀以上の間メルローとしてその正体が隠されていたチリのカルメネーレである、ということが確認されたのです。
それは事実、原産地フランスで保存されていたカルメネーレと一致していました。
チリにおけるカルメネーレは、単一品種で瓶詰めされることが増えてきた反面、
多くはカベルネソーヴィニオンか、メルローとのブレンドで用いられることが多い品種です。
カルメネーレで作られたワインは、深い色合いとスムースで角のとれたマイルドなタンニン、
そして熟したベリー類の風味がする骨格のしっかりとしたワインとなります。
カルメネーレはメルローに比べてより強い一面を持つと同時に、
カベルネソーヴィニオンよりもやわらかで繊細なボディを持っているのです。
ブドウの品種一つとっても歴史がありますね。
生き残ったカメルネーレの味ぜひお試しあれ。
1000円以下で入手可能ですよ。
ボルドーの忘れ形見…。
カルメネールは17世紀から18世紀そして19世紀初頭にかけて、フランスのメドック地区とボルドー地方において最も広く分布した品種です。
この品種を初めてチリにもたらしたのは、ワイナリーを所有していたチリの貴族たちで、1850年のことです。
彼らは同時にその他の高級品種、カベルネソーヴィニヨン、メルロー、ソーヴィニヨンブランなどもチリに導入しました。
1867年フィロキセラ虫災害でこの地区のワインは大打撃を受けました。
後の広範囲にわたるワイナリー復興の際に、フランスではカルメネーレが混醸品種から外されていきます。
風味豊かで深い色合いであるという品質でしたが、フランスの栽培地における湿度の多さと寒い春の気候により、
常に安定したよい収穫量を得ることが出来なかったのです。
これは、特にカルメネーレにとっては打撃的な条件で、
時には花の終わった後の発芽も得られないほどであったのです。
そして、メルローに遅れること2,3週間で熟成するこのブドウ品種は、雨の多い地域では健全な果実を収穫することも困難でした。
絶望的な状態にあったワイナリーのオーナーたちは、接木によってようやく再生できるようになったブドウ畑に、
あまり手をかけずに安定した収穫を得ることの出来るブドウ品種を選ぶことを余儀なくされたのでした。
カベルネソーヴィニオンもまた収穫の遅い品種ではありますが、繊細なカルメネールと比較して厚い果皮を持つため、
雨季においても果実が腐ったり水っぽくなるといったことがなかったのです。
チリは今だかつてフィロキセラに襲われたことがありません。
ブドウにとって重要な成長期に乾燥した気候が適していたのでしょう。
このため、チリではカルメネーレが生き残りました。
しかし長い間その正体は水面下にあり、見失われてきました。
その外見的な相似からしばしばメルローの畑に点在し、
チリでは両方をメルローと呼び始めるようになってしまったのです。
チリのワイン産業は、長い間研究や綿密な調査からはずされ、国内市場は国際的な動きから孤立していました。
そのためカルメネーレは、もし思い出す人があったとしても、見失われた、
もしくは、絶滅した品種とみなせれていたのです。
そんな中にあって、チリの「メルロー」には、はっきりと違いのある2種類が存在する、ということが明らかになってきました。
葉の形、色の違い、ブドウの房も同一ではなく、そして最も大きな違いは熟成期の違いでした。
1980年代終わりになりチリからの輸出が多くなるにつれ 「チリのメルローは低価格のものであっても、
他のどこの国で作られたメルローよりも強くはっきりとした性格を持ち、
ほのかにスパイシーさがある」ということが知られるようになってきました。
そして味わいには、より華やかさも兼ね備えていたのです。
チリのクローンが、より果実味レベルが高く風味の強い亜種に発展したのだと言う理論の元に、
クローンの差によるものだと考えられてきました。
1994年、フランスのモンペリエにある醸造大学のジャン=ミッチェル・ブルーシコ教授が、それが品種の違いだということに気付きます。
彼がカトリカ大学(チリ)のフィリポ教授と共にチリのワイナリーを訪問した際、
メルローの畑に違う種類の葉が存在する、ということを記録しています。その後のDNA鑑定により、そこには2つの違う品種が存在し、
その1つは1世紀以上の間メルローとしてその正体が隠されていたチリのカルメネーレである、ということが確認されたのです。
それは事実、原産地フランスで保存されていたカルメネーレと一致していました。
チリにおけるカルメネーレは、単一品種で瓶詰めされることが増えてきた反面、
多くはカベルネソーヴィニオンか、メルローとのブレンドで用いられることが多い品種です。
カルメネーレで作られたワインは、深い色合いとスムースで角のとれたマイルドなタンニン、
そして熟したベリー類の風味がする骨格のしっかりとしたワインとなります。
カルメネーレはメルローに比べてより強い一面を持つと同時に、
カベルネソーヴィニオンよりもやわらかで繊細なボディを持っているのです。
ブドウの品種一つとっても歴史がありますね。
生き残ったカメルネーレの味ぜひお試しあれ。
1000円以下で入手可能ですよ。
Posted by shiba.n at 22:52│Comments(0)
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